1、取締役・取締役会

    株式譲渡制限の有無により区別されます。

(1)株式譲渡制限会社の場合
   会社の意思決定が迅速かつ効率的に行いやすくなりました。知人・親類から
  名前を借りるだけといった名目的な役員や形式的な会議が不要になり、
  迅速な意思決定や報酬等のコストの削減も可能になりました。
(2)公開会社の場合
   従来の株式会社に対する規制とは大きくは変わっていません。ただし、
  迅速な意思決定を支援するため、書面による決議を採用することも認められました。
  (従来は、一堂に会しての会議の開催が義務づけられていました)


株式譲
渡制限
あり なし
株式譲渡制限会社 公開会社
取締役
の人数
1人以上 3人以上
取締
役会
任意 必置
代表
取締役
任意 必置
議事録 取締役会がなければ議事録不要 議事録作成義務あり
(署名による持ち回り決議可能)
監査役 取締役会設置時は必置
(会計参与設置時は任意)
必置
会計
参与
任意 任意

2、株主総会

     株主総会は最高の意思決定機関であり、特に株式譲渡制限会社においては、取締役や監査役の
    設置が緩やかな規定になった分、株主総会による決議が重視されることになります。

(1)株式譲渡制限会社の場合
   取締役会の設置が任意となったため、会議体としては株主総会だけとなります。
  そのため、重要な事項で取締役単独の判断にゆだねるべきでない事項については、
  すべて株主総会の決議が要求されることになりました。
(2)公開会社の場合
   原則として今までとは変わらず、株主総会で決議できる事項は、法律又は定款で
  定められた重要事項に限られます。(それ以外は取締役会で決定)

    取締役会設置の有無と株主総会の決定事項

取締役会が設置されていても株主総会で決議しなければならない事項
 ・役員(取締役、会計参与、監査役)及び会計監査人の選任
 ・役員及び会計監査人の解任(会計監査人は監査役によっても解任できる)
 ・取締役、会計参与、監査役の報酬(定款の定めがない場合)
 ・計算書類の承認(会計監査人設置会社を除く)
 ・剰余金の配当、処分(臨時総会で年に何度でも可能、条件付で取締役会で可能な場合もある)
 ・定款の変更
 ・事業の全部又は重要な一部の譲渡
取締役会が設置されていない場合、株主総会で決議しなければならない事項
 ・重要な財産の処分及び譲受け
 ・多額の借財
 ・支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
 ・取締役と会社との間の競業及び利益相反取引の承認

    株主総会を開催しやすくするための改正点

1、 株主譲渡制限会社では、株主総会の招集通知は会日の一週間前
  (取締役会を置かない会社では定款でさらに短縮可能)までに発すればよく、
  通知は書面等によらず、口頭等でもよくなります。
2、 開催場所も、本店所在地またはその隣接地という制限が撤廃され、
  任意に決められます。

3、役員の責任

    (1)役員等に責任が生ずる場合

取締役 違法(中間)配当 過失責任
取締役 会社との間の競合取引・利益相反取引 過失責任
自己取引をした本人は無過失責任
役員等全て 法令又は定款違反
(いわゆる任務懈怠)
過失責任

    (2)会社に損害を与えた場合

原則 会社を与えた損害につき上記のような賠償責任を負う
例外 @、 総株主の同意があれば、会社に対する賠償責任は免除される。
A、 株主総会の決議により、役員等に善意で重過失がない場合、
   賠償責任額は最低責任限度額とすることができる。
    ●最低責任限度額
     ・代表取締役・・・・・・・・・・・・・・・・・・報酬等の6年分
     ・代表以外の取締役・・・・・・・・・・・・報酬等の4年分
     ・会計参与、監査役、会計監査人・・報酬等の2年分
B、 定款で責任限定契約を締結できる旨の定めがある場合、その額と
   Aの額とのいずれか高い額を限度とすることができる。

    (3)第三者に損害を与えた場合

         会社に対する責任とは厳然と区別して規定されています。

原則 役員等が第三者に対して損害賠償責任を負う場合は、原則として連帯責任を負います。
例外 責任の免除、軽減の規定はありません。

4、機関設計

機関 メリット デメリット
取締役を複数置く(または取締役会を設置する) ・相互に意見の討議ができ、社長が独善に陥ることを回避できる。
・優秀な従業員を取締役に登用することで、働きがいのある会社を作ることができる。
・組織だった会社とすることになり、将来の発展に資することができる。
・個人商店的に見られがちな1人会社とは違うという点で対外的に信用度が高まる
・社長(代表取締役)といえども解任される可能性がある。
・取締役会が設置されない場合、各取締役がそれぞれの会社を代表することになり、勝手な契約をされてしまう危険が残る。
・見解が対立する場合にあっても法の手続きに従い、尊重しなければならなくなる。
・名目的な取締役にでも報酬を払う必要が生ずる可能性もあり、人件費のアップにつながる。
会計参与 ・外部の専門家に会計参与を依頼することで、取締役は営業や製造など本業に専念できる。
・会社の作成した計算書類につき、対外的な評価、信用力がアップする。
・信用のおける適任者を探さねばならず、一方会社の姿勢によっては就任を断られる可能性もある。
・報酬の負担が発生する。

       (会社の成長、発展段階又は将来ビジョンに合わせて適切な機関設計を採用しましょう)

例示 株主総会 取締役 取締役会 監査役 監査役会 会計参与 会計監査人
一人で運営している会社        
     
ご夫妻また、子息が後継予定者として入社された会社        
     
従業員が10名から数十名に増えて使用人の中から役員を登用したい会社        
     
支店等を開設し責任者をおく段階になった会社        
       
直接資金調達をめざすことになった会社(グリーンシートや株式上場をめざす会社    
   
   

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